転職お役立ち情報

年棒制のいいところ

目次

年俸制の仕組み

年俸制の仕組み

ぼうっとテレビを眺めていると、良く目にするのが年俸制。野球やサッカーのプロ選手が「年俸○千万円で・・・」「年俸○億で契約決定・・・」といった形で年俸制を知ったという方、結構いるのではないでしょうか。

今転職をお考えたのあなた、年俸制のいいところや悪いところを知っていますか? 日本の企業で最も一般的に普及している給与形態は、月給制です。基本給があり、そこに毎月一定の手当てが付く。会社の業績や本人の仕事振りに応じて賞与、つまりボーナスが発生し、最終的に年収が決まる。これが月給制です。

最近では、月給制から年俸制への切り替えを行う企業や、月給制か年俸制かを選べるようになっている求人も増えてきています。もし気になる企業が年俸制だった時のために、まずは年俸制の仕組みを理解しましょう。

年俸制というのは、月給とは違い「年間○万円の給与を支払う」ことが年度の最初から決っている給与形態のことです。

月給の場合、最終的な年収というのは1月から12月までの額面給与と賞与を足し算しなければ判明しませんが、年俸制の場合、年収が最初から分かっている訳です。

ただし、年収500万円の年俸制と言っても1年の最初にぽんと500万円を渡される訳ではありません。労働基準法において、給与は毎月1回支払うことが義務付けられているため、基本的には年俸を12分して毎月受け取る、という形になります。

また、年俸を12分割するのではなく、ボーナスがあると考えて、12分割以上に分けて受け取る場合もあります。大体、夏と冬のボーナスを2ヶ月分と考えて、年俸を16分割し、ボーナス分は夏と冬にまとめて貰う、という形になります。

年俸制ならではのいいところ

年俸制ならではのいいところ

年俸制の良いところはどこにあるのでしょうか? 結局は月給制と同じように毎月給与の支払いを受ける訳ですから、暮らしぶりとしては違いを実感することはありません。

しかし、年俸制には月給制にないいいところがいくつもあるのです。まず、何と言っても「年収が確定している」の便利です。

月給制の場合、残業のあるなし等によって収入にばらつきが出ます。会社の業績によっては、今年はボーナスが1円も出ない、なんてこともあり得ます。

年俸制の場合、年度始めに決めた金額は必ず受け取ることができるので、ライフプランを立てやすいのです。収入が判明していれば、長期的なローンを組む時も返済計画をスムーズに立てられます。

また、年俸制の場合、給与は基本給などに左右されることはありません。元々成果主義を基礎として生まれた給与形態ですから、今年は結果を残したので来年から収入をアップ、といった交渉も可能なのです。

年俸制のデメリットは?

年俸制のデメリットは?

年俸制にもデメリットはあります。最初から年収が決まってしまっているため、仕事をがんばっても今月、来月の給与に反映されないこと。また、数多い意見として「残業代が貰えない」ことがあげられます。

念の為に補足しておくと、年俸制であっても、時間外労働に対しては残業代を支払うことが義務づけられています。ですから、年俸制でかつ残業をたくさんした人は、当初の年俸プラス残業手当が付く訳です。

ただ、年俸制の場合みなし残業制度を採用していることが多く、ある程度の残業時間は最初から年俸に含まれているため、残業代がつかないような感覚になってしまうのです。

年俸制は年間を通して安定した収入を得られる給与体系です。あなたの仕事の成果、能力と交渉に応じて金額が決定されています。言い換えると、仕事の出来が悪い場合、容赦なく次年度からの年収に影響が出てしまうということになります。

特に、年俸制に対して批判的で、残業代が付いていないと感じている人、自分の仕事の結果を適切に評価されていないと考えている人は要注意です。

仕事の能率が落ちたり結果が出せなかったりして、次年度の年収が下がり、またそれで仕事のやる気が削がれてしまう、といった悪い連鎖に繋がることもあり得ます。

イメージしづらい場合は、プロスポーツ選手を思い浮かべてみましょう。彼らは試合でどれだけ結果を残せたかによって、毎年年俸が上下します。

「結果を出す」のが年俸制

「結果を出す」のが年俸制

良くも悪くも、自分の能力が基準となり、左右されるのが年俸制です。年度の始めに金額が決まることから分かるように、年俸の額というのは「会社からあなたに対する仕事の評価そのもの」です。

例えばあなたが年収500万円という雇用条件の職場に転職をしたとしましょう。この場合、企業は最低でもあなたに年間500万円を支払う価値がある、それだけの仕事、結果を残してくれることを前提としています。

1年間の仕事振りが500万円に見合ったものではない場合、結果を出せなければ妥当な金額まで下げられることになりますし、逆に500万円以上の結果を出した場合、年俸が600万円にも800万円にもなりうる訳です。

ある意味では、現時点で持っている能力や経歴を売り込むことになる転職、中途採用の人にとって、年俸制というのは自分の評価を客観的に見つめることができるツールでもあります。

月給制では通常、転職をすると勤続年数が一旦リセットされてしまうため、一時的に年収が下がる傾向にあります。しかし、年俸制の場合仕事で結果を出せるという自信や証明があれば、転職前と同程度、もっと良い年収での転職も容易なのです。

年俸制でモチベーションを上げよう!

年俸制でモチベーションを上げよう!

年俸制は、賞与や残業などの評価についてのみ着目してしまうと仕事に対するモチベーションを上げづらい制度です。

しかし、一年間仕事をがんばった成果をそのまま次年度に反映させられるという意味では、この上なく仕事のモチベーションを上げるのに適したシステムでもあります。

年俸制を積極的に採用している企業は成果主義を重んじていることが多いので、能力さえあれば次々とキャリアアップしていくことも可能です。成果主義に基いている職場は、結果さえ出せれば昇給もしやすいのもポイントです。

ビジネスマンとして高い能力を得るため、もしくは今の実力を最大限に発揮するために年俸制を選ぶという選択肢、試してみてはいかがでしょう。